今回の記事では、セールスコピーのひな型として有名な「QUESTの法則(フォーミュラ)についてお話します。
通販番組やWeb広告のランディングページ(縦長のページ)を見て、「この商品欲しいな」と感じたことはないでしょうか?
世の中には、数えきれないほどの広告が存在していますが「成果に繋がる広告」の共通点として、顧客心理を刺激する広告表現で文章が書かれてるという点があります。
QUESTの法則は、消費者心理の流れに沿った構成で「商品が欲しくなる文章」を書くことができる便利なテンプレートです。
「QUESTの法則(フォーミュラ)」を使ってセールスレターを書けば、大きな失敗をすることなく、商品・サービスを提案することができるので、おぼえておいて損はない文章構成の型です。
最初はハードルが高いと感じるかもしれませんが、必ずマスターできますので、少しづつ実践してみてください。
QUESTの法則(フォーミュラ)とは
QUESTフォーミュラとは、世界的に有名なダイレクト・レスポンス・コピーライターのマイケル・フォーティン氏が考案したコピーライティングの法則で、2005年に書かれた記事で紹介されたものです。
QUESTフォーミュラについて書かれた記事
日本では、下記のように呼ばれています。
- 「QUESTフォーミュラ」
- 「QUESTの型」
- 「QUESTの法則」
考案者であるマイケル・フォーティン氏は、ゲイリー・ハルバード氏や、ジョン・カールトン氏といった、世界トップクラスのセールスコピーライターと対談経験もある実力者です。
コピーライティングの「型」と呼ばれるものの中では、「新・PASONAの法則」「AIDMAの法則」と並び有名なので、あなたも1度は聞いたことがある法則かもしれません。
実際、どのようなシーンで「QUESTフォーミュラ」が使われているかというと、「通販番組」などで使われています。
通販番組を見てもらうと分かりますが、ほとんどの番組が今回お話しする「QUESTの法則(フォーミュラ)と同じような構成」で作られています。
通販番組は「放送時間が限られている」ため、消費者の購買意欲を刺激するために、セールスの構成が綿密に練られており、「視聴者の購買欲求を刺激する導線」が敷かれているので、見ていると欲しくなってしまうわけですね。
通販はテレビ(動画)でQUESTフォーミュラを使っていますが、セールスレターで活用する場合も「文章を使って同じ流れを作っていく」ことになります。
QUESTフォーミュラは、セールスレターはもちろんのこと、日常の発信でも使うことができるため、使いこなせば心強い武器になるでしょう。
では、QUESTの法則(フォーミュラ)の具体的なお話しをしていきます。
【例文付き】QUESTの法則(フォーミュラ)の5つの文章構成
QUESTは、大きく分けて5つの要素で成り立っています。
具体的には以下の通り。
- Qualify:ターゲットを「絞り込む」
- Understand:相手の気持ちを「理解・共感」する
- Edycate:商品の魅力を「教育」する
- Stimulate:購買意欲を「刺激」する
- Transition:顧客に変化させる
上記のように、QUESTの法則(フォーミュラ)は、自分の悩みをある程度明確に持っていて、解決策を探している人に向けて書く文章に適している型です。
そのため、「見込み客の悩みの深い商品」などをセールスする際に使うと、効果的に活用することができます。
では、5つの構成要素をひとつずつお話ししてきますね。
Qualify:ターゲットを絞り込む
Qualifyを直訳すると「資格を与える、適任とする」という意味があります。
読み手を的確に判断し、最初の段階で(ターゲット)以外を除外するような文章を読む必要がある人を絞りこんであげるわけです。
たとえば、 この問題は誰のためにあるのか、誰のための解決策なのか、誰のための解決策ではないのかを明確にすることで、読者の意識を喚起し「先を知りたい!」と思ってもらうという役割があるわけです。
Qualify(絞り込む)の要素で意識すべきことは2つ。
- ターゲットを明確にする
- 問題点に気付いてもらう
ターゲットを明確にするのは、伝える側はもちろんのこと、読み手に「あ!これは私のことだ」と思ってもらう必要があります。
たとえば、「筋トレメソッド」を販売するとしたら、
- 自分のお腹を鏡で見て思わず「ため息」をついてしまった経験はありませんか?
- 誰もが触りたくなる筋肉が手に入るとしたら何をしたいですか?
このように、ターゲットが抱えている問題を明確にしたり、抱えている問題を解決したら、どれだけ明るい未来が待っているかを問いかけることで、見込み客に「自分の悩み」を自覚してもらうことができます。
問いかける方法のほかには、ストーリー形式で見込み客を引き込むこともできます。
- ■具体例(実践編)
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「最近、お腹がやばいな~」池田さん(32歳)は、風呂上がりに、自分のカラダを見てため息をつくのが日課になっていました。
今年の夏は、会社のみんなと海にいく予定。
「こんなお腹で〇〇ちゃんの前に出るなんて、ありえないだろ。 なんとかしなくては……汗」
このように、「あなたの悩みを解決する答えがこの先に書いていますよ!」と強く意識づける必要があるわけですね。
言い方をかえると「自分ごととして捉えてもらう」というのがQualify(絞り込む)のゴールです。
見込み客の抱えている悩みを「最大の関心事」に引き上げることで、次の要素を読まずにはいられない心理状態を作っていきます。
Understand:読み手の気持ちを「理解・共感」する
Understandは、翻訳すると「理解する・納得する」という意味です。
「Qualify:絞り込む」で、見込み客の悩みを明確にしたうえで、「あなたの悩みはよくわかります」と共感してあげるわけですね。
読み手を特定した後、その人のことをどれだけ理解しているかを表現するフェーズとなります。
相手とつながり、共感することで「問題を拡大」し相手の痛みを煽る。
誤解を恐れずいうと「傷口に塩を塗る」ようなもので、少なくとも、その問題を相手の頭の中に浮かばせることを目的とします。
Understandの要素で意識すべき点は下記3つ。
- 見込み客の悩み(痛み)を理解する
- 問題の痛み(最悪の結果)を強調する
- 「早く問題解決したい」と感じてもらう
まずは、痛みを分かち合うことで「この人は自分の味方だ」と思ってもらう。
そのうえで、「この問題を解決しないとこんなマズイことになる」と、最悪の未来をイメージさせることで、「何とかしなくては」と思ってもらうのが「Understand:理解・共感」要素のゴールです。
読者の痛みを共有し、「解決策がない」あるいは他の「解決策が何らかの理由で不十分」であるために、読者の痛みがどれほど苦痛であるかを伝えることになります。
また、このセクションでは、潜在的な解決策に対する相手の好奇心をくすぐり、他の解決策にはない具体的なメリットを挿入することができます。
ただし、まだ「あなたの」解決策は完全に公開していません。あなたの紹介する商品の強みにつながるユニークなセールスポイントや、あると便利なベネフィットを記載しましょう。
事実に基づいて製品の裏話を入れると、信頼性が高まり「読み続けるべき理由」を読者に与えるだけでなく、あなたの扱う商品に対して一定の親近感を抱くことに繋がります。
ただ、1点注意してもらいたいのは、「ウソをつかない」こと。
よく、「実は、昔の私もそうだったんです」という風に、過去の恥ずかしい経験をさらけ出すことで、共感を得ようとしている人がいます。
しかし、あからさまに「ウソだろ?」わかるような文章を書いてしまうと、共感どころか「ただの怪しい人になる」ので注意が必要です。
反対にあなたが、見込み客と同じような体験を実際にしているのなら、失敗談や挫折した話を交えることで、痛みが共有され「信頼関係」を築くことができます。
- ■Understandの具体例(実践編)
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実は今お話ししたことは、実際に僕が経験したことです。
僕と後輩は、同じ女性に好意を持っており「恋のライバルともいえる関係」でした。
ただ、後輩は「イケメン」「仕事ができる」「気配り上手」と非の打ちどころがないほど完璧な男。
僕の事は、ライバルとは思っていなかったでしょう。
そんなライバルの後輩からの「みんなで海にいきましょう」という言葉。
ただでさえ勝ち目が薄いのに、自分のだらしない体をさらさないといけないなんて……。
このままでは「〇〇ちゃん」に嫌われるのは間違いないし、会社にもいられなくなる……。
このときの僕は「好きな子の前で裸になる」という現実から目を背けずにはいられませんでした。
このように、「Understand:理解・共感する」では、「ただ恐怖を煽る」ようなことはせず、あくまでも共感しながら、現状維持では「最悪の結果が待っているかもしれない」というレベルに留めておくことがポイントです。
一見すると、「傷口に塩を塗り込む行為」に見えるかもしれませんが、そうではありません。
見込み客の悩みを解消するためにも「問題を先送りにする危険性」を教えてあげて、あなた(商品・サービス)が、悩みから救ってあげる救世主になる必要があります。
Educate:商品の魅力を「教育」する
Etucateは直訳すると「〈人を〉教育する; 〈知力・精神を〉育てる」という意味があります。
「Understand」で共感してあげ、「この人は自分の事を理解してくれている」という信頼関係を構築した上で「教育」をしていきます。
問題を先送りにする危険性を伝えた後は「解決策が存在する」ことを読者に伝えるということですね。
ここで、製品やサービスを紹介しますが価格についてはまだ触れません。
教育のフェーズはセールスコピーの中盤にあたり、山登りでいうと頂上にさしかかり山を越えようとしているフェーズとなるため、著者の信頼性や、著者の話を聞かなくてはいけない理由を明確にしていきます。
また、商品やサービスに対する異論に返答したりするのにも適した場所となります。
言ってみれば、教育とは具体的に「自社商品・サービスの特徴やメリット」を詳しく丁寧に説明してあげることです。
そのために、見込み客が安心して購入できるような「安心」を提供する必要があります。
- ■「Educate:教育する」の具体例(実践編)
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結果的に、僕は「海に行ったことがきっかけ」で、彼女と付き合うことができました。
イケメンの後輩がライバルだったのに、どうやって30代のおっさんの僕が勝つことができたのか?
その答えが、これから伝えする「筋トレメソッド」にあります。
〇〇式筋トレメソッドとは、運動不足気味のメタボ体系だった僕のでも実践できた、マンツーマン形式でプロの先生が教えてくれる、結果に繋がる筋トレプログラムです。
筋トレと聞くと、「キツイ」「めんどくさい」「続かない」と、なかなか継続できない理由が次々に生まれてきますが、「〇〇式筋トレメソッド」は、過去に挫折した人ほど結果に繋がりやすいノウハウは詰まっています。
このように、「過去に挫折した経験のある人こそ結果に繋がる」ということを匂わせることで、「自分にもできるかも」と思ってもらうことが大切です。
ただ、「過去に前例がない、前代未聞のメソッドです!」といっても怪しさ満載ですよね。
そんな心配を解消するためにも、
- 見込み客が納得できるデータ
- ライバル商品との明確な違い
- 商品(サービス)の特徴
- 証拠となる愛用者(お客様)の声
- 権威者による推薦文
- 商品に対する思いやこだわり
このような項目を伝えることで、あなたの商品(サービス)を使うことで「悩み・欲求を解消できそう」と思ってもらうことが、「Educate」の役割です。
出来るかぎり詳細に、販売したい商品やサービスの特徴を説明をしておくことで、見込み客の「安心」に繋がります。
いいことばかりを並べ立てるのではなく、デメリットだと思う点があれば、しっかりとその部分についても説明することも大切。
デメリットをカバーするようなサービスをプラスしてあげることで、さらに信頼感は増し反応率がアップすることもあるので、「顧客視点」で相手の不安を取り除く文章を書いていきましょう。
ただし、先ほどもお伝えしたとおり、「Educate(教育)」の段階ではまだセールスはしません。
次の「Simulate」の要素で、見込み客の「欲しい」という欲求を一気に刺激していきます。
Stimulate:購買欲求を刺激する
Stimulateには、「刺激する、活気づける、激励する、鼓舞する」という意味があります。
このパートでは、商品を使った後に待っているベネフィット(明るい未来)をイメージしてもらいます。
いよいよ「Stimulate:興奮させる」のパートで、商品(サービス)のオファーを匂わせていくわけですね。
セールスレターの中で販売の役割を担う「最も重要なパート」でもあります。
”Stimulate”のフェーズでは、 ベネフィット(相手が得たい未来)を話し ”Educate” で説明した特徴にリンクさせています。
また、「特別な特典」や「保証」、「緊急性」などを提供するなど、オファーに価値を付加するのに最適な場所となります。
競合の代替品との比較や、購入しない場合のリスクやコスト(潜在的な利益の損失、金銭的な損失、製品を使用しない場合の最終的なコストなど)を追加するのにも最適な場所となります。
実は「S」は、sell(売る)という意味の略でもあります
この商品を使うことで、「こんな未来が待っている」ということを伝え、自分が手に入れた明るい未来の疑似体験をしてもらうわけですね。
疑似体験をすることによって、「この商品を買って、未来を変えたい」という欲求を刺激していきます。
わかりやすくいうと、「申し込み・購入を決断」することで、どんな未来が待っているのかを伝え「興奮させる」ことを目的として文章を書いていきます。
- 「Stimulate:興奮させる」の具体例
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〇〇式筋トレメソッドであなたが得られること
思わず触りたくなるカラダがあなたのものに
女性と縁のなかった僕が、意中の彼女を射止めることができたのは「頼りがいのある体」を手に入れることができたのが原因です。海水浴にいった時に起こった「ある出来事」が二人の距離を一気に近づけてくれたのです。
挫折しないプログラム構成なので、イヤでも結果に繋がる
僕は毎日残業続きの多忙の毎日を過ごしていたので、正直プログラムを最後まで完遂する自信がありませんでした。
しかし、そんな僕の悩みをあざ笑うかのごとく、挫折しようのないプログラムが僕を待っていました。
巷にあふれているダイエットプログラムの闇
もし、あなたが「本気で変わりたい」のなら、この真実を知らないと大損する可能性があります。
このような情報を伝えることで「欲しいという欲求」を刺激しつつ、1番最初に伝えた
- 「問題」がどのように解決できるのか?
- その解決法は実際どれほど効果的なのか?
ということを説明していきます。
このように、今まで説明した「商品特徴」や「ベネフィット」をオファーに繋げることで、いよいよセールスレターは終焉に向かいます。
Transition:顧客に変化させる
最後となる要点「Transition」には、「移り変わり、移行、変遷、変化」という意味があります。
何を変化させるのか?
それは、たまたまセールスレターを読んだだけの「通りすがりの人」を、商品・サービスを購入してくれる「顧客」に変えていくわけです。
つまり「クロージング」を通じて、読者を見込み客から購入客へ移行させていく目的があります。
注文欄や注文フォームもここに含まれ、オファーや価格、特典などがある場合は、その内容についても説明していきます。
そして何より大事なのは、読者に「商品を手に入れた後のイメージ」をさせてあげることが重要です。
オファーを要約し、保証について話し、行動を促すために、まだ公表されていない特典やボーナスを追加していくことになります。
整理しておくと、ここのパートの役割は2つだけ。
- 「今すぐ行動する」ための最後の一押しをする
- 申込フォームから商品(サービス)を申し込んでもらう
人間というのは「行動を先延ばしにする生き物」です。
「欲しい」と思っていたとしても、時間をおいて冷静になると、購入意欲は激減します。
その危険を回避するためにも、「今すぐ購入する」という行動を起こしてもらう工夫が必要になります。
- ■「Transition:変化させる」の具体例(実践文)
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マンツーマン指導の質を維持するため、講座に参加できるのは「先着5名様」のみです。
〇月〇日までの期間限定で、通常198,000円のところ、39,800円のモニター価格でご参加いただくことができます。
【全額返金保証】講師のいうことを実践しても、3か月以内に結果に繋がらなければ、全額返金します。
現状を本気で変えたいと思っておられるなら、まずはお申込みください。
このように、確実に購入をしてもらえるように「断る理由が見つからない」と感じさせることができれば成功です。
また、ここまで長文を読んできた見込み客の頭を整理してあげるためにも、オファーの内容を整理してあげることも重要です。
見込み客が「すでに自分の手に入れている」と疑似体験するくらい、具体的にイメージさせてあげることで、成約率のアップにも繋がります。
まとめ.「QUESTの法則」を使ってブログ記事を書いてみよう
今回お話しした「QUESTの法則」は、セールスレターを書く際のガイドとなりますが、すべてを完全に当てはめて書く必要はありません。
ゼロから文章を考えるのではなく、ガイドとなる雛型を使ってまずは全体像を整理するために活用いただければ大丈夫です。
最初は難しいかもしれませんが、「QUESTの法則」の流れに沿って文章を書けば、何も考えずに文章を書くことに比べれば成約率は上がるはずです。
- Qualify:ターゲットを「絞り込む」
- Understand:相手の気持ちを「理解・共感」する
- Edycate:商品の魅力を「教育」する
- Stimulate:購買意欲を「刺激」する
- Transition:顧客に変化させる
これが、QUESTフォーミュラの基本の流れになります。
もちろんQUESTの法則を実践すれば「絶対成果に繋がる」とは限りません。
ただ、初めてレターを書くとか、メルマガの登録ページを書く際に不安を感じるならば、最初はQUESTの型に当てはめて書くことで、白紙に文章を書いていくより書きやすさを実感できるはずです。
あなたの「商品を販売したい」「メルマガ登録のぺージを作りたい」といった、人に行動をしてほしいシーンで「QUESTの法則(フォーミュラ)」を使ってみてくだいね。
では、最後までありがとうございました。
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