ファミリーキャンプを始めようと道具を調べると、テント、タープ、寝袋、焚き火台、テーブル、チェア……と、必要そうなものが次々に出てきます。
しかし、最初からキャンプ道具一式を買う必要はありません。
ファミリーキャンプで優先したいのは、家族が「安全に泊まれる」「夜に眠れる」「食事ができる」ための道具です。
食器や調理器具は家にあるもので代用できますし、焚き火台やラック、ポータブル電源などは、実際にキャンプを経験してから考えても遅くありません。
むしろ初回はレンタルを利用したほうが、自分たちに必要な道具を見極めやすくなるケースもあります。
この記事では、4人家族でファミリーキャンプを始めた私の経験をもとに、最初に必要なもの、家にあるもので代用できるもの、後回しでいいものを整理します。
ファミリーキャンプに必要なものは8種類
家族4人で1泊する場合、必要になるものは大きく8種類です。
| 用途 | 必要なもの | 最初の準備方法 |
|---|---|---|
| 泊まる | テント、グランドシート、ペグ、ハンマー | レンタルでも可 |
| 眠る | マット、寝袋または寝具 | マットを優先する |
| 夜を過ごす | LEDランタン、懐中電灯 | 電池式や充電式を用意 |
| 座る・食べる | チェア、テーブル | 家にある物やレンタルでも可 |
| 食材を保冷する | クーラーボックス、保冷剤 | 食材の量に合わせる |
| 調理する | コンロまたはバーナー、鍋、食器 | 家庭用品を流用できる |
| 雨や寒さに備える | タープ、雨具、防寒着 | 季節とキャンプ場で判断 |
| 安全・衛生を守る | 救急用品、常備薬、ゴミ袋、ウェットティッシュ | 家にある物を持参 |
これだけ見ると、やはり多く感じるかもしれません。
ただし、全部をキャンプ用品店で買う必要はありません。専用品を買うものと、家から持っていくものを分ければ、初期費用はかなり変わります。
わいずパパ「せっかく始めるなら、チェアもテーブルも人数分そろえたほうがいいよね?」



「その前に、4人がちゃんと眠れる準備はできてるの?」



「……まずはマットを見ます」
キャンプ用品店へ行くと、目立つギアから欲しくなります。
しかし、最初にお金をかけたいのは、見栄えのいい道具よりも、家族が安全に泊まり、夜に眠るための道具です。
キャンプ初心者が最初に揃えるもの
テントは広さより「自分で設営できるか」で選ぶ
テント選びでは、使用人数だけでなく、設営方法と収納サイズを確認します。
4人家族なら、メーカーが示す対応人数だけで判断せず、家族が横になったときの広さや荷物を置く場所まで考えたいところです。
ただし、広さを求めていきなり大型の2ルームテントを選ぶと、設営と撤収の負担が大きくなる場合があります。
私がファミリーキャンプ用として最初に選んだのは、スノーピークのアメニティドームMでした。
定番テントで設営方法を確認しやすく、現在の公式サイトでも3〜4名向けと案内されています。
一方で、初心者向けと呼ばれるテントでも、キャンプ場で初めて広げて迷わず設営できるとは限りません。
テントを購入したら、本番前に一度は試し張りをしておくのがおすすめです。
試し張りの際に確認するのは、次の4点です。
- ポールを通す位置
- フライシートの向き
- ペグとロープを固定する場所
- 撤収後に収納袋へ戻す手順
設営動画は事前にスマートフォンへ保存しておくと、キャンプ場の電波が弱くても確認できます。
わが家は、スノーピーク主催イベント「Snow Peak Way」でファミリーキャンプデビューしました。
道具を購入しても設営に自信を持てなかった私にとって、スタッフのいる環境で最初の一泊を経験できたことは大きかったです。
初めて泊まるのが不安なら、スタッフのサポートや設営済みテントがあるプランから始める方法もあります。


寝袋より先にマットを考える
初めてのキャンプでは、テント本体に予算を使いすぎて寝具が後回しになりがちです。
しかし、家族が翌朝も機嫌よく起きられるかどうかは、テントのブランドよりマットに左右されます。
キャンプ場の地面は、芝生に見えても小石や木の根があり、夜になると下から冷えが伝わってきます。
ここで混同しやすいのが、次の3つです。
- グランドシート:テントの下に敷き、汚れや湿気を防ぐ
- インナーマット:テント内の床全体を保護する
- スリーピングマット:体の下に敷き、硬さと冷えを軽減する
グランドシートだけでは、地面の硬さはほとんど解消できません。
車で行くキャンプなら、過ごしやすい季節に自宅の毛布や掛け布団を持っていく方法もあります。ただし、体の下には厚みのあるマットを用意したほうが安心です。
寝袋を購入する場合は「限界使用温度」ではなく、快適に眠れる目安となる「快適温度」を確認します。
キャンプ場周辺の予想最低気温を調べ、それより余裕のある寝袋と防寒着を用意してください。子どもは布団を蹴ることもあるため、着る物でも調整できるようにしておきましょう。
ランタンは最低2つ用意する
ファミリーキャンプでは、サイト全体を照らすライトと、手元やテント内を照らすライトが必要です。
最低限、次の2つを用意します。
- テーブル周辺を照らすメインのLEDランタン
- トイレへの移動やテント内で使う小型ライト
家族で別々に移動する可能性を考えると、懐中電灯やヘッドライトをもう1つ追加しておくと安心です。
わが家では、ルーメナー2を5年使った本音レビューでも書いているLEDランタンをファミリーキャンプのメインランタンとして使い、その後はソロキャンプでも流用しています。
ただし、最初から高価なランタンを選ぶ必要はありません。重要なのは価格より、必要な場所を安全に照らせることです。
テント内では、燃焼式ランタンやコンロを使用せず、LEDライトを使用してください。日本キャンプ協会の「キャンプの安全」でも、テント内での火器使用は、火災や一酸化炭素中毒などにつながる危険があると注意喚起されています。
チェアとテーブルは家族分を新品で揃えなくていい
人数分のチェアと大きなテーブルを一度に購入すると、それだけでかなりの金額になります。
わが家はHelinoxのチェア2脚、キャプテンスタッグのベンチ、ユニフレームの焚き火テーブルなどを使ってきました。
長く使えているため購入自体を後悔していませんが、キャンプデビューに必要な最低ラインではありません。
最初は、次のような方法でも十分です。
- 自宅にある折りたたみチェアを持っていく
- 子どもはベンチを共有する
- キャンプ場でレンタルする
- ローテーブルを1台だけ用意する
- デイキャンプならレジャーシートを使う
実際に座ってみないと、ハイスタイルとロースタイルのどちらが家族に合うか分かりません。
最初から高さや色を統一するより、1泊して不便だった部分を確認してから買い足したほうが失敗を減らせます。
クーラーボックスは食材を守れる容量を選ぶ
クーラーボックスは、飲み物を冷やすだけでなく、肉や魚などの食材を安全に保管するための道具です。
厚生労働省は、バーベキューでの食中毒を防ぐポイントとして、「肉を焼くまでは低温に保つ」「十分に加熱する」「生肉用と食事用のトングや箸を使い分ける」ことを挙げています。
4人家族の場合でも、必要な容量は季節や食事内容で変わります。
飲み物をたくさん持参するなら大きめが必要ですが、現地のスーパーで食材を購入したり、朝食をパンで済ませたりすれば容量を抑えられます。
わが家では、折りたためるロゴスの氷点下ソフトクーラーを使っています。
ソフトクーラーは帰宅後の収納が楽ですが、上に重い荷物を載せると中の食材が潰れやすい点には注意が必要です。
ハードタイプとソフトタイプのどちらが優れているかではなく、車載スペースと自宅での収納まで含めて選びましょう。
初回の料理はカセットコンロで十分
キャンプを始めると、焚き火料理、ダッチオーブン、スキレットなどを試したくなります。
ただ、初回からテントを設営し、子どもの様子を見ながら、火起こしと凝った料理まで進めるのは大変です。
最初は、屋外で使用できるコンロやバーナーを一つ用意し、焼くだけ、温めるだけの料理にすると余裕が生まれます。使用場所や風防の可否については、必ず製品の説明書を確認してください。
食器、コップ、包丁、まな板、鍋は、家にあるものでも代用できます。
割れやすいガラス製品を避け、生肉用のトングと食事用の箸を分ければ、最初からキャンプ専用の食器セットを買う必要はありません。
消費者庁も、生肉から加熱後の肉へ細菌が移るのを防ぐため、トングや箸を用途ごとに使い分け、肉の中心部まで十分に加熱するよう注意を呼びかけています。
初回の目的は、屋外料理を極めることではありません。
家族全員が暗くなる前に食事を始められることのほうが大切です。
タープはキャンプ場とテントによって判断する
タープは日差しや雨を防ぐ便利な道具ですが、すべてのキャンプで必須とは限りません。
次の条件では、タープが役立ちます。
- 日陰のない区画サイト
- 日差しの強い季節
- 小雨に備えたい場合
- 前室の小さいテントを使う場合
一方で、次の条件なら省ける可能性があります。
- リビング部分のある2ルームテントを使う
- 屋根付きスペースがある
- 木陰の多いサイトを選ぶ
- タープをレンタルできる
わが家は最初にオガワのフィールドタープヘキサDXを購入しました。
広い日陰を作れる一方で、テントとは別に設営と撤収が必要です。区画によってはテントと大型タープを無理なく配置できないこともあります。
タープを買う場合は、収納サイズだけでなく、設営時の全長とキャンプ場の区画サイズを確認してください。
初心者が後回しにしていいキャンプ道具
次の道具は便利ですが、初回からなくてもキャンプは成立します。
- 焚き火台
- ランタンスタンド
- キッチンテーブル
- ラックや棚
- ウォータージャグ
- アウトドアワゴン
- キャンプ専用食器
- ナイフや斧
- コット
- ポータブル電源
- 飾りやガーランド
焚き火をしなければ、焚き火台、薪、着火剤、火ばさみ、耐熱グローブの一式を減らせます。
車をサイト内に横付けできるオートサイトなら、アウトドアワゴンを使わないこともあります。
ウォータージャグも、水場が近ければ必須ではありません。
「キャンプらしい写真に写っているから」ではなく、自分たちの一泊に必要かどうかで考えましょう。
キャンプ道具は、現地で使う時間より、車へ積む時間、撤収する時間、帰宅後に片付ける時間のほうが長く感じることがあります。
一つ増やすたびに、保管場所と片付けも増えます。
初期費用を抑えるならレンタル、代用、中古の順で考える
ファミリーキャンプの初期費用に、全員共通の正解はありません。
参考までに、わが家がキャンプを始めた当時に揃えた主な道具は次のとおりです。
- テント、グランドシート、インナーマット:約50,000円
- オガワのヘキサタープ:約30,000円
- 家族分のチェアとテーブル:約45,000円
- ルーメナー2:約13,000円
- 自宅の寝具:0円
- 合計:約138,000円
これは、ファミリーキャンプに必要な最低金額ではありません。
タープやHelinoxのチェアなど、最初から購入しなくても泊まれる道具が含まれています。
今から始めるなら、次の順番で考えます。
1.最初の一泊はレンタルする
キャンプ場のレンタルセットや、設営済みテントを利用します。
一泊してみると、家族がキャンプを楽しめるか、どの道具が不便だったか、車にどれくらい積めるかが分かります。


2.家にあるもので代用する
食器、鍋、包丁、まな板、毛布、タオル、収納袋などは、家にあるもので対応できます。
ただし、壊れやすい物や汚したくない物は持ち出さないほうが無難です。
3.長く使いそうなものだけ新品で買う
テント、マット、ライトなど、安全性や使いやすさに直結する道具は、新品を選ぶメリットがあります。
保証や交換部品、説明書、設営動画の有無も確認しましょう。
4.状態を判断しやすいものは中古も検討する
テーブル、チェア、ラック、焚き火台など、状態を目視しやすい道具は中古でも探しやすい商品です。
一方で、テントの防水性、マットの空気漏れ、充電式製品のバッテリー劣化は見た目だけでは判断しにくいため、初心者は慎重に選ぶ必要があります。


最初のキャンプ場は道具より「困ったときの逃げ道」で選ぶ
初めてのファミリーキャンプでは、景色より設備を優先してもいいと私は思っています。
おすすめしやすいのは、次の条件が揃ったキャンプ場です。
- 車をサイトへ横付けできる
- 管理人がいる
- テントや寝具をレンタルできる
- トイレや炊事場が清潔
- 売店または近くにスーパーがある
- シャワーや入浴施設がある
- 自宅から遠すぎない
- 携帯電話の電波が入る
- 悪天候時に撤退しやすい
忘れ物をしても借りられる。料理に失敗しても近くで買える。子どもの体調が悪ければ早めに帰れる。
この「逃げ道」があるだけで、初回の心理的な負担はかなり軽くなります。
反対に、真夏の猛暑日、強風、強い雨が予想される日に、設備の少ないキャンプ場へ無理に行く必要はありません。
予約したからといって、必ず決行しなければならないわけではありません。
また、消灯時間、ゴミの分別、焚き火の可否など、キャンプ場ごとにルールが異なります。出発前に公式サイトを確認しておきましょう。


初めてのファミリーキャンプで失敗しやすいこと
道具をキャンプ場で初めて開封する
テント、タープ、バーナー、マットは、一度自宅で開封して付属品を確認します。
テントの設営練習が難しくても、説明書を読み、ポールやペグがそろっているかだけは確認しておきましょう。
初回から料理と焚き火を頑張りすぎる
設営後に凝った料理を作り、食後に焚き火まで楽しもうとすると、片付けが遅くなります。
初回は食事を簡単にするか、焚き火を次回へ回すほうが、家族とゆっくり過ごせます。
持ち物を増やしすぎる
不安になると、使うかもしれない物をすべて持っていきたくなります。
ところが、荷物が増えるほど積み込み、設営、撤収、帰宅後の片付けが大変になります。


寝るときの気温を確認しない
自宅付近が暖かくても、標高の高いキャンプ場では夜間に冷え込む場合があります。
天気予報はキャンプ場に近い地点で確認し、予想最低気温に合わせて寝具と服装を調整してください。
家族全員が設営担当になる
子どもから目を離せない時期は、大人2人でテントを設営できるとは限りません。
一人が子どもを見守り、もう一人でもある程度進められる設営手順を考えておくと安心です。
「家族で協力して設営する」という理想は、子どもがお腹を空かせると、わりと簡単に崩れます。
ファミリーキャンプの持ち物チェックリスト
テント・設営用品
- テント
- フライシート
- ポール
- ペグ
- ガイロープ
- ペグハンマー
- グランドシート
- タープとポール(必要な場合)
寝具
- スリーピングマット
- 寝袋または自宅の寝具
- 枕
- 毛布やブランケット
- 季節に合った防寒着
リビング用品
- 家族分のチェア
- テーブル
- LEDランタン
- 懐中電灯またはヘッドライト
- 予備の電池や充電器
調理・食事用品
- クーラーボックス
- 保冷剤
- 食材と飲み物
- コンロまたはバーナー
- 燃料
- 鍋やフライパン
- 包丁とまな板
- 食器とカトラリー
- 生肉用のトング
- キッチンペーパー
- 洗剤とスポンジ
- ゴミ袋
衣類・衛生用品
- 着替え
- 雨具
- 帽子
- タオル
- 洗面用具
- ウェットティッシュ
- ティッシュ
- 虫よけ
- 日焼け止め
- 入浴用品
安全・子ども用品
- 救急セット
- 常備薬
- 体温計
- 健康保険証またはマイナ保険証
- 子どもの予備の着替え
- 汚れ物を入れる袋
- 季節に合った遊び道具
このリストを基準に、キャンプ場の設備、季節、食事内容に合わせて不要なものを削ってください。
リストをすべて埋めることが目的ではありません。
「なくてもキャンプ場で借りられる」「家にあるもので代用できる」と分かっている状態を作ることが大切です。
ファミキャン道具は将来ソロキャンプにも流用できる
ファミリーキャンプ用の道具すべてが、ソロキャンプでも使いやすいわけではありません。
大型テントや大きなテーブルは、一人で使うには設営と撤収の負担が大きくなります。
一方で、次の道具は比較的流用しやすいと感じています。
- コンパクトなチェア
- 小型のテーブル
- LEDランタン
- シングルバーナー
- ソフトクーラー
- 焚き火台
わが家でも、Helinoxのコンフォートチェア、ユニフレームの焚き火テーブル、ルーメナー2などをソロキャンプへ流用しています。
将来ソロキャンプもしてみたいなら、家族分をすべて兼用品にする必要はありません。
まずは自分が担当して持ち運ぶチェア、ライト、テーブルなどから兼用を考えると、道具の重複を減らせます。
まとめ.最初から全部揃えないことが失敗を減らす
ファミリーキャンプ初心者が最初に揃えるものは、家族が安全に泊まり、眠り、食事をするための道具です。
特に優先したいのは、次の4つです。
- 人数に合った設営可能なテント
- 地面の硬さと冷えを軽減するマット
- 夜のサイトと移動用のLEDライト
- 食材を安全に保管するクーラーボックス
食器、調理器具、寝具などは、自宅にあるもので代用できます。
焚き火台、ラック、ワゴン、ポータブル電源などは、一度キャンプを経験してから必要性を判断しても遅くありません。
最も失敗しにくい始め方は、レンタルできるキャンプ場で一泊し、不便だった道具から少しずつ揃えることです。
キャンプ用品店で一式揃えることが、ファミリーキャンプのスタートではありません。
家族が「これならまた行ってもいい」と思える一泊にすることが、次のキャンプへつながります。

