この記事では、ビジネスや恋愛で成果を出すための最強の戦略「返報性の法則(原理)」について解説しています。
人間は人に何かをしてもらったら、「お返しをしないと悪いな」と感じてしまう生き物です。
これは、老若男女を問わず、[keikou]誰もが、本能的に持っているもの[/keikou]でもあります。
たとえば、バレンタインの文化がそうですよね。
バレンタインのチョコが、たとえ義理チョコだったとしても、「もらったからにはホワイトデーで返さないといけない」と感じる感情が返報性です。
返報性の法則は、ほとんどの人が無意識に使っている心理効果なので、[keikou]「返報性の原理」をしっかり理解すれば、人付き合いやビジネスで優先的に物事をすすめるための強力な武器[/keikou]となります。
今回の記事で、返報性の法則(原理)が世の中でどのような使われ方をしているのか詳しく解説していくので、あなたのビジネスを飛躍させるためのきっかけにしてくださいね。
[voicer icon=”https://copilabo-sakayu.com/wp-content/uploads/2017/11/438bfa81d690f34f720e33fb2e6c15bd.png” name=”文子”]バレンタインのお返し楽しみにしてますね~ あ、リンツのチョコでいいですよ♪[/voicer]
[voicel icon=”https://copilabo-sakayu.com/wp-content/uploads/2017/11/4d97f3c7aac52c74b4b4f2f0295fe112.png” name=”中村”]ブラックサンダー1個だったのに……[/voicel]
返報性の法則(原理)とは?どんな意味があるの?
返報性の法則とは、人が他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く心理の事をいいます。
返報性の法則(原理)とは
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。
至近な例では、試食がある。
ちなみに、返報性の原理は、社会心理学者のロバート・B・チャルディーニ氏の著書「影響力の武器」で紹介されたことでも有名な心理効果です。
日本人は特に、人の行為に対して「お返ししなくてはいけない」という感情が働きやすい傾向にあります。
[aside type=”boader”]- 何か誕生日プレゼントのお返し
- 出産祝いのお返し
- 結婚のご祝儀のお返し
- バレンタインのお返し
- 香典のお返し
上記のような好意を受けた際に、返報性の法則がはたらき、自分に恩恵を与えてくれた人に、何かお返しをしなくてはいけないという気持ちになるわけですね。
僕たちは、日常的に「ありがとう」「すみません」という感謝の言葉を使っていますが、「すみません」には、「これでは終わりません」という意味もあるくらい、人の好意に対してお返しをするというのは、人間の本能に埋め込まれている感情でもあります。
返報性の法則には具体的にどんな効果があるの?
ここでひとつ、イメージしやすいように返報性の法則の効果についてお話しします。
分かりやすいのが、子どもの影響力ですね。
たとえば、僕の2歳の娘は、笑顔で道行く人に「バイバーイ」とよく手を振りながら愛想を振りまきます。
すると、80%以上の確率で相手は笑顔で手を振り返してくれるんですね。
[voicel icon=”https://copilabo-sakayu.com/wp-content/uploads/2017/09/5a29cbc48111d7b181d5e03ddf89a5c2.png” name=”中村”]お年寄りは、ほぼ、100%の確率で笑顔で返してくれます[/voicel]
その理由は、先ほどからお伝えしているように、人は自分に向けて贈られた好意に対しては「何かお返しをしたい」という感情が湧くからなんです。
これを「好意の返報性」と呼びます。
デニス・リーガンによる「返報性の法則」の心理学実験
返報性を裏付ける心理学実験としては、心理学者デニス・リーガンが行ったものがあります。
■デニス・リーガンの実験内容
「美術鑑賞」という名目の実験に参加した大学生に対して、もうひとりの参加者(リーガンの助手(仮にAさん)とともに、いくつかの絵画の作品評価するように依頼します。
ただし、本当の実験は、評価途中の休憩時間に行われるAさんの2つの行動を経て、大学生の対応にどのような変化があるのかを調べるという目的があったわけです。
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■2つの条件
- 条件1.Aさんは休憩時間に少し部屋から出ていき、コーラを2本買ってきて「君の分も買ってきたよ」と言って1本を渡す。(小さな親切をおこなう)
- 条件2.Aさんは休憩時間に少し部屋から出て行いくものの、手ぶらで帰ってくる。(親切はしない)
[/aside]
全ての絵画の評価が終わり、実験監督がちょっとの間部屋を開けた時に、Aさんは自分の頼み事を参加者に聞いてもらうようお願いします。
[aside type=”boader”]
■Aさんのお願いごと
新車が当たるくじ付きチケットを売っているので、「1枚25セントのチケットを買ってほしい」と頼みます。
その際に言った言葉は、「何枚でもいいんだ、もちろん多いに越したことはないけど……」と伝えました。
[/aside]
すると、どうなったか……?
実は、Aさんが親切をした「条件1の大学生」は、何も親切をしなかった「条件2の大学生」に比べて、2倍もチケットを買ってくれたんですね。
このことから、「条件1の大学生」は、Aさんに対して借りがあると感じていたから、2倍もの差ができたということになります。
返報性の法則は恐ろしいほどの影響力を秘めている
返報性の法則が、ここまで効果的に使われるには理由があります。
それは、返報性のルールが秘めている恐ろしい力を秘めているからです。
その証拠を示す例があります。
実はリーガンは、実験の中で要求を出してきた相手(Aさん)に対する好感度が、要求を受け入れる傾向にどのような影響を及ぼすかについても調べていたんです。
その結果、より多くのチケットを購入した人ほど、Aさんに対して好感を抱いていた……。
ここまでは、予想できることですよね。
でも、興味深いのは、[keikou]Aさんからコーラをもらっていた参加者の場合、Aさんへの好感度と要求を受け入れる割合の相関関係が全くなくなっていた[/keikou]という点です。
つまり、Aさんに借りがある人達は、Aさんを好きか嫌いかに関係なくチケットを購入していたということになります。
この結果からわかることは、僕たちが普段嫌っている人
[aside type=”boader”]- 不快な印象のセールスマン
- こちらの都合を無視する勧誘員
- 気難しい知り合い
- 評判が良くない団体
などが、要求を出す前にちょっとした親切をするだけで、彼らの要求が通る確率がグッと高まるということが分かりますよね。
【例文付き】返報性の法則の使い方を具体例を交えて解説
では、具体的に返報性の法則が活用されているシーンをお話しします。
好意の返報性の具体例をお話しするるには、以下の2種類がイメージしやすいですね。
[aside type=”boader”]- ビジネスで使われている返報性の法則
- 恋愛で使われている返報性の法則
「ビジネス」においても「恋愛」においても、信頼性を築いて「成果」に繋げるために、返報性の法則が使われています。
では、それぞれ具体的にお話ししていきます。
好意の返報性を恋愛に使うなら「出会って間もない相手」が効果的
好意の返報性は「恋愛の初期段階」において、強力な力を発揮します。
恋愛で成果を出すために大切なことは、まず相手に好意を持つこと。
つまり、[keikou]「あなたが好きだ」という気持ちを伝えることで、はじめて相手からも同じような気持ちがかえってくる[/keikou]ということですね。
たとえば、友人から「あの人、お前(あなた)のことが好きらしいよ!」と聞いたとします。
すると、今まで意識してなかった相手の事がなんか気になったりした経験ありませんか?
特に男性は単純なので、「あれ、彼女って俺のこと好きなのか……」と思いこむと、そのまま自分も、相手の女性のことを好きになったりするなんてこともありますよね。
[voicel icon=”https://copilabo-sakayu.com/wp-content/uploads/2017/09/5a29cbc48111d7b181d5e03ddf89a5c2.png” name=”中村”]僕も学生時代に経験して、恋愛に発展したことがあります[/voicel]
ただ、恋愛において返報性の法則の効果を実感しやすいのは、まだお互いの関係性が深くないときです。
ようするに、出会って間もない「付き合う前の段階」ですね。
出会って間もない段階のときって、特にお互い相手の事を意識していません。
そんな相手から突然「好き」だと言われたら、人は無意識に意識してしまうわけです。
相手が自分のタイプかどうかという問題があるので、付き合うかどうかは別としても、自分に好意を持っている相手の事を悪く思う人はいないですよね。
このように、恋愛で好意の返報性を使いたければ、まずは[keikou]相手に好意を持っていることを匂わせる[/keikou]ことが大切だということが分かります。
では、ビジネスではどういう風に使われているのでしょうか?
続いて、お話ししていきます。
効果絶大!返報性の法則をビジネスに活用する方法
「恋愛」以上に「ビジネス」においては、好意の返報性が戦略的に使われています。
ある意味、ビジネスにおいては「返報性の法則が最強」といってもいいかもしれません。
その理由は、[keikou]顧客から「信頼」を得ることこそビジネスにおける成功の秘訣[/keikou]になるからですね。
たとえば、デパ地下の試食コーナーで考えてみましょう。
デパ地下にいくと、販売員のおばちゃんが、おいしい漬物などをつまようじに刺して配っていますよね。
もらった漬物をひと口「パクッ」と食べたと思ったら、「こんな味もあるから食べてみて!」と言って、他のキュウリや大根の漬物を勧めてくる……。
美味しいから、ついつい2,3個食べちゃう。
そうすると、あなたの中で、[keikou]何か目に見えない力が働きだす[/keikou]わけです。
その結果どうなるか……?
そう、「何か、買わないと悪いなー」という気持ちが湧くことになります。
[voicel icon=”https://copilabo-sakayu.com/wp-content/uploads/2017/11/4d97f3c7aac52c74b4b4f2f0295fe112.png” name=”中村”]そのまま立ち去ったら、おばちゃんに悪い気がしてしまいますもんね。[/voicel]
[voicer icon=”https://copilabo-sakayu.com/wp-content/uploads/2017/11/f1546f33952cc661e7432e59e5886b4f.png” name=”文子”]そうですか? 私はデパ地下の試食で昼食を済ませたことありますよ~[/voicer]
[voicel icon=”https://copilabo-sakayu.com/wp-content/uploads/2017/11/580a1df4603df925be1932c61ce9c349.png” name=”中村”]コラコラ![/voicel]
この目に見えない力は、誰から言われたわけでもなく、自然と自分の中から湧いてきて「漬物を買う」という行動を引き起こす動機になるわけです。
つまり、人間は「相手から何かをもらったら返さないといけないんじゃないか」という気持ちが自然と湧いてくる生き物なんです。
この本能ともいえる修正を利用するため、「デパ地下」や「土産物屋」では、「食べねぇ! 食いねぇ!」と試食をすすめてくるわけですね。
試食を差し出せば、商品を買ってもらえる確率がグンと上がることを知っているからこそ、あんなに試食をたくさん準備しているというわけなんです。
ネットを使ってビジネスをする際のインターネットマーケティングの戦略においても、返報性の法則はキモになります。
特にアフィリエイトにチャレンジしていて、なかなか成果に繋がらない人は、商品ばかり売り込んで読者に価値を提供できていないという場合が多いんですね。
[keikou]顔の見えないネット上のビジネスでは「ギブ&ギブ」が最強の戦略[/keikou]になります。
逆にいうと、自分の利益ばかり考えて、毎回の記事で商品を売り込んでいると、信用をドンドン落としてしまいかえって売れないということですね。
ここまでで、返報性の法則については、ご理解いただけたのではないでしょうか?
次の章では、「返報性の法則」と関連性の深い「一貫性の法則」との関係について、少しお話ししておきますね。
「返報性の法則」と「一貫性の法則」は何がちがう?
返報性の法則を合わせてよくつかわれる法則に、一貫性の法則というものがあります。
返報性の法則と一貫性の法則の特徴を簡単に説明すると以下の通りです。
[aside type=”boader”]
■返報性の原理
人は、他人から何らかの施しや好意を受けた場合、「何かお返しをしなければならない」という感情が生まれるという心理
■一貫性の原理
人は、自分自身の行動、発言、態度、信念、価値観などに対し、最後まで一貫して貫きたいという心理
[/aside]
ビジネスにおけるテクニックでは、
[aside type=”boader”]- 返報性の原理のことを、「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」
- 一貫性の原理のことを、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」
と呼び、いずれもビジネスの大事な手法として確立されています。
それぞれのテクニックの具体的方法については以下の通りです。
[aside type=”boader”]
■ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
ほぼ確実に断られると思われるものを提示して、その後に最初よりも小さな要求を行うことで、「1回断ってるから、これくらいは受けてあげないといけない」という心理状態にする手法。
■フット・イン・ザ・ドア・テクニック
一貫性の法則を利用して、小さな要求を最初に行い、徐々に要求を大きくしていき、最終的に目的とする要求までたどり着かせる手法。
[/aside]
試食を例にすると以下の通りですね。
[aside type=”boader”]- 「試食をさせてもらったんだから何か買わないとな」と感じるのが返報性。
- 「最初に試食の提案を受け入れたんだから、購入提案も受け入れないとな」と感じるのが一貫性。
このように、「返報性の法則」と「一貫性の法則」は、似ているようで使い方が違うことがわかります。
【要注意】返報性の法則の正しい使い方をしよう
返報性の法則は、正しく使えば効果を発揮しますが、[keikou]使い方を誤ると後からしっぺ返しを食らう[/keikou]ことになります。
その理由は、すべての人が返報性の法則に則って、期待した行動をするとは限らないからです。
返報性の法則をビジネスで活かす際には、顧客に「何か買わないと相手に悪いよね」という罪悪感を抱いてもらう必要があります。
ただ、罪悪感を煽って購入に繋げることができるのは、1度だけです。
購入後、リピートに繋がるかどうかは、
[aside type=”boader”]- 商品の質の良さ
- 商品を売った人の印象
という販売者側の立ち振る舞いによって変わってしまいます。
つまり、返報性の法則を使ったテクニックは、最初の縁を作るために使うと、一番効果を発揮するということになります。
返報性の法則は、顧客にあくまで最初の1歩を踏み出してもらうためのテクニックだということですね。
1点注意してほしいのは、返報性の法則を詳しく理解しておけば、悪用することも簡単にできてしまうということです。
心理学は、[keikou]人の心理を自由に操ることで有利に動くことが出来る反面、使い方を間違えてしまうと一気に信用を失ってしまう、諸刃の剣[/keikou]なのだということを忘れないようにしてくださいね。
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まとめ.返報性の法則の法則を正しく使って成果に繋げよう
今回は、返報性の法則について詳しく解説していきました。
流れとしては、以下の通りでしたね。
[aside type=”boader”]
- 返報性の法則(原理)とは?
- 返報性の法則の効果が分かる事例
- 返報性を裏付ける心理学実験
- 返報性の法則が秘めた影響力
- 返報性の法則の具体例
- 好意の返報性を恋愛に使うなら「出会って間もない相手」が効果的
- 効果絶大!返報性の法則をビジネスに活用する方法
- 返報性の法則と一貫性の法則は何がちがう?
- 返報性の法則の正しい使い方
[/aside]
最初にもお伝えしましたが、「ビジネス」や「恋愛」で成果を出すためには、「信頼の構築」が必要不可欠であり最強の戦略でもあります。
使い方を間違えずキチンと返報性の法則を意識していけば、あなたは相手との信頼関係を今までよりも簡単に築くことができるようになるはずです。
ぜひ、あなたが求める成果のために返報性の法則を使ってみてくださいね。
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