今回の記事では、「メタ認知能力」について具体例を解説していきます。
メタ認知能力という言葉はあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、非常に重要な能力です。
メタとはわかりやすく言うと「物事をひとつ上の視点から客観的に見てみる」ことです。
「物事を俯瞰的(客観的)な視点で見る」ことは、文章を書く上で非常に重要なポイントとなります。
- 客観的視点で記事を書けない
- 自分の主張=正解だと思っている
- 具体的な指示(ノウハウ)がないと動けない
- 読者が何を求めている(検索意図)のかわからない
上記の項目で当てはまるものがあれば、この記事が参考になるはずです。
多くの方が、「ライティングスキルと高めるためのノウハウ」を求めがちですが、ノウハウよりも大事なのが「メタ認知能力を高める(相手の気持ちを理解する)」ことです。
今回お伝えする「メタ認知能力」を高めることができれば、「客観的視点」を書くことができるようになるだけでなく、今まで気づかなかった「世の中の現象」にも気づくことができるようになります。
メタ認知能力はトレーニング次第で誰でも鍛えることができるので、ぜひ、実践してみてくださいね。
具体的に解説していきますね
メタ認知能力とは? どんな意味がある?
メタ認知という言葉は、1970年代にアメリカの心理学者ジョン・H・フラベル氏が定義し広めた概念です。
メタ認知の意味
メタ認知とそのはたらき メタ認知の「メタ」とは「高次の」という意味です。
つまり、認知(知覚、記憶、学習、言語、思考など)することを、より高い視点から認知するということです。
メタ認知は、何かを実行している自分に頭の中で働く「もう一人の自分」と言われたり、認知についての認知といわれることがあります。
説明を読むと難しく感じるかもしれませんが、メタ認知とは「どのように世の中を見て、どう考え、どのような行動を起こすのか」という俯瞰的(客観的)視点を持つということです。
人は誰しも、事実をありのままに見ているようで「無意識に自己中心的なフィルター(色眼鏡)」を通して、ものごとを見てしまっています。
まずは、自分がどのようなフィルター(色眼鏡)で世の中を見ているのかを知ることが、メタ認知能力を高める上での第一歩となります。
簡単なセルフチェックで確認することができるので、試してみてください。
まずは「メタ認知能力を測る9項目」でセルフチェック!
メタ認知能力を鍛えるにしても、まずは「自分のメタ認知がどれくらいあるのか」を調べることが必要となります。
以下のチェックリストを用いて、自分のメタ認知能力を測定してみましょう。
上記の項目で当てはまるものが多いほど、メタ認知能力が高いと言えます。
先程もお伝えしましたが、人は誰しも事実をありのままに見ているようで「自己中心的なバイアス」という色眼鏡を通してものごとを判断します。
人間には基本的に「自分中心にしか物事を考えることができない生き物」なので、セルフチェックによって、客観的に自分の色眼鏡が何色なのか?を知っておく必要があるわけですね。
メタ認知能力については、トレーニングで高めることができるので「チェックリストが全然当てはまらなかった」としても落ち込む必要はありません。
メタ認知能力のチェックリストはあくまで参考にする程度にして、本当に大切なのは「自分を客観的に見て、変化させる行動を起こせるか?」という点です。
メタ認知能力を高めるためには「日々生活の中でどのような意識を持つべきか」が大切なのでおぼえておきましょう
メタ認知能力が「高い人」と「低い人」の特徴と違い
メタ認知能力は、すべての人に平等に備わっているわけではなく「個人差」があります。
そもそもメタ認知能力とは、下記の2つを使い分けることを指します。
- セルフモニタリング(自分の行動や考えや感情を自分で観察記録すること)
- セルフコントロール( 自分の感情や行動を自分で制すること)
個人差があるということは、下記の2種類のタイプにわけることができます。
- メタ認知能力の高い人(サイクルを回すのが上手な人)
- メタ認知能力の低い人(サイクルを回すのが下手な人)
続いては、メタ認知能力の「高い人」と「低い人」には、それぞれどんな特徴があるのか?をお伝えしていきます。
メタ認知能力の高い人の特徴
メタ認知能力の高い人とは、自分自身を客観的に眺め、他人から映る自分像をちゃんと把握出来ている人の事をいいます。
分かりやすくいうと、空気が読める人ですね。
メタ認知が高い人は、自分のことを客観的に見ることができるので、自分の意見を通しつつ、周りにもしっかり合わせられる人が多く、物事を多くの視点から見ることができます。
メタ認知能力の高い人の傾向としては、「メタ認知能力を測る9項目」でもあったように下記のような特徴があります。
- 常に自分を客観(セルフモニタリング)的に見ることができる
- 自分の失敗をちゃんと分析し、「反省」と「実行」を繰り返し改善できる
- 相手への気配りができ適度な距離感を保ちながら付き合える
まだイメージしにくいと思いますので、具体例を交えて解説しておきます。
メタ認知能力が高い人の具体例
メタ認知能力が高いかどうかは、たとえば、恋人とケンカをした時にどんな態度をとれるかで判断できます。
普通、ケンカをした直後は、「何あいつ!マジ腹が立つ!」と感情的になってしまいがちです。
しかし、メタ認知能力の高い人は「なぜ、ケンカをしたんだろう?」と客観的に「原因」を考えることができるのです。
- なんでケンカになったんだろう?
- 自分に悪いところはなかったかな?
- どの部分に自分は腹を立てたんだろう?
こんな感じで、起きてしまった出来事に対して「客観的に判断することができる」という特徴を持っています。
これが、「一つ次元の高いところから俯瞰(ふかん)」して、自分自身をモニタリングすることができるという状態です。
俯瞰(ふかん)とは高いところから見下ろすという意味です
言い方を変えれば、相手を責める前に「自分にも原因はなかったのか?」ということを冷静に判断できるというわけですね。
ここまで書いて、鋭い方は気付くかと思いますが、メタ認知能力の高い人はモテます
もし、何らかの原因で恋人にフラれたとしても、一方的にフッた相手を責めるのではなく、「なぜフラれたのか?」という自分に足りなかった部分を冷静に判断し、次の恋愛に活かすことができます。
つまり、失敗を重ねるごとに自分の弱点を克服していくことで、異性から見て魅力的な存在に変わっていくわけです。
これは恋愛だけではなく、仕事においても同じことが言えます。
では、メタ認知能力が高い人とは正反対のメタ認知能力が低い人にはどんな傾向があるのでしょうか?
メタ認知能力の低い人の特徴
メタ認知能力の低い人は、簡単にいうと空気の読めない人です。
具体的にメタ認知能力の低い人にありがちな傾向は下記のとおり。
- 自分が他人からどう見られているかを理解できない
- 自分が好きなものは世界中の人が好きだと思っている
- 自分の正当性を全く疑わない(自分のいうことに100%間違いはないと信じている)
あなたの周りにも、1人くらいいるのではないでしょうか?
このタイプの人は、自分の意見がすべてだと思い込んでいるので、KYな発言をして場が凍り付いているのにも気づきません。
それどころか「自分の発言に酔い自画自賛してしまう傾向」があります。
では、具体的にメタ認知能力が低い人とはどんな人の事をいうのかを解説しておきます。
メタ認知能力が低い人の具体例
あなたの周りの人がメタ認知能力が低いかどうかは、その人の行動を見ていれば分かります。
たとえば、下記のような感じです。
- 初デートで、自分が担担麺が好きだという理由で担担麺のお店に連れていく
- SNSなどで、投稿者の意見を全否定して満足する
- 仕事で自分のミスを認めず、人に責任をなすりつける
- 「自社商品」以外の良さは認めない
初デートで連れていくご飯屋さんに「自分の好きなお店を選ぶ」という時点でどうでしょうか?
確かに女性の方から「〇〇さんのおススメのお店に行きたいです」と言われることもあるでしょう。
だからといって、自分の好きなものは相手も好きだろうと考えるのは危険です。
- その女性が何が好きなのか?
- 嫌いなものはないのか?
- 普段どんな服装なのか?デートでどんな服装できそうか?
- デートの日はお店は店休日ではないか?
上記のように、女性のことを知っておいた上で、相手が喜んでくれそうなお店を選ぶからこそ、好意を持ってもらえるわけです。
時々、「オシャレで高級なレストラン(誰と行くにも同じ場所)に連れて行っておけばOK」と考えている人がいますが、女性の立場になって見た時にどちらが嬉しいか?という点を考える必要があります。
- 何も聞かずに「人気のお店」に連れて行ってくれる男性
- さりげなく自分の好みを聞き出して「自分の為だけ」にお店を探してくれる男性
どちらが魅力的でしょうか?
では、例題に話を戻しますね。
もし女性が、初デートの為に白い洋服を新調して、ウキウキしながら当日を迎えたのに、連れていかれたところが「担担麺のお店」だったらどうでしょう?
スープが飛び散らないように麺をすするのに必死で会話どころじゃないです!
こうやって文章にすると、笑い話のようですが、メタ認知能力の低い人は無意識のうちに平気で自分の好きなお店に連れていってしまうんですね。
ここまで書けばお気づきだと思いますが、メタ認知能力の低い人は「高い人」に比べて圧倒的に人生において損をすることになるわけです。
ここまで読むと「いかにメタ認知能力」が重要かおわかりいただけたのではないでしょうか。
メタ認知能力の大切さを理解したと同時に「自分は低いタイプ」だと感じたかもしれません。
現時点で「メタ視点が低い」を感じたとしても問題ありません。
なぜなら、メタ認知能力は努力次第で鍛えることができることができるからです。
続いてメタ認知能力を鍛えるトレーニング方についてお話していきます。
俯瞰力を鍛える3つのトレーニング方法
メタ認知能力は生まれ持った才能で決まるものではなく、トレーニング次第で高めることができる後天的スキルです。
僕も実践しているトレーニング方法としては3種類あります。
- 未知の情報と既知の情報を組み合わせて知識に変える
- 自分の思考を言語化して表現する
- 自分の考えや行動を客観的に振り返る
上記3種類のトレーニング法を通して、訓練をすることでメタ認知能力を高めることができます。
では、ひとつつずつお伝えしていきますね。
俯瞰力を鍛えるトレーニング方法1.未知と既知の情報を組み合わせて知識に変える
1つ目は、未知(知らない)情報と既知(知っている)情報を組み合わせて知識に変えることです。
単純にインプット量を増やして知識を増やすことが、メタ認知能力を高めるのに効果的だということですね。
その理由としては、知識が多いと自分を客観的に見る時に、より様々な視点から俯瞰して自分を見ることができるようになるからです。
未知を既知に変える段階としては下記のとおり。
- 未知の情報と既知の情報を組み合わせて知識に変える
- 自分の思考を言語化して表現する
- 自分の考えや行動を客観的に振り返る
この段階を踏んで、「未知⇒既知への変化」を習慣化することで、自分の知らない領域にチャレンジする際にも自分の手で解決の糸口を見つけだすことができるようになるわけです。
あなたも1度くらいは、「難しい本を読み始めたものの途中で挫折した……」という経験があるのではないでしょうか?
「難しい本が読めない」という壁も、本に書かれている具体的なことが自分の知識や体験が追い付かずに理解できる基準を超えていることで起こります。
僕自身、最初に読んだ時は理解できず挫折したものの、数年後に読んだら面白いと思えた本があります。
これは、自分に足りなかった部分が埋められて未知が既知の情報に変わったということになるわけですね。
俯瞰力を鍛えるトレーニング方法2.自分の思考を言語化して見える形にする
ふたつ目は、自分の思考を言語化して見える形にしてみることです。
これは、ただ漠然と頭で考えているだけでは点の情報に過ぎないものを、文章という見える形にすることで、線の情報となり理解しやすくなるということです。
なぜなら、頭の中にある形のない「思考」を言語化するには、自分の考えを高い視点から客観的に見て、相手に伝わるよう変換する必要があるからです。
「書く」という行為を通して頭の中の情報をアウトプットすることで、結果的にメタ認知能力の向上に繋がるわけですね。
一番おススメのトレーニングは、記事の構成を考えながらブログ記事を書くことです。
- 読者さんはどんな環境で自分の記事を読むのかな?
- 自分の書いた文章がどんな印象を与えるだろう?
- 分かりにくい表現はないかな?
- 記事の構成は不自然じゃないかな?
ブログを書く際には、上記のような視点を持って書くことになるので、自然と自分を客観的に見る訓練ができます。
この視点で記事を書いていけば、自然と俯瞰的視点で物事を見るというクセもついてきます。
俯瞰力を鍛えるトレーニング方法3.自分の考えや行動を客観的に振り返る
みっつ目は、自分の考えや行動を客観的に振り返るクセをつける方法です。
具体的には、自分の考えや意見したことに対して下記のように振り返る習慣をつくります。
- なぜその行動をしたのか?
- なぜこういう結果になったのか
記事を書く上でも上記を意識するだけで文章が変わります。
- 自分が何を知っていて、何を知らないのか
- 自分は何ができて、何ができないのか
- 自分は何をしたくて、何をしたくないのか
- 自分の行動は正しかったのか、正しくなかったのか
上記の点を意識しながら記事を執筆していくことで「1年後」に大きな差が生まれます。
ここまでメタ認知能力を高める「3つのトレーニング方法」をお伝えしてきました。
メタ認知能力が高まると「俯瞰的(客観的)視点」が身につき、心を動かす文章が書けるようになります。
その理由もお伝えしておきますね。
メタ認知能力を鍛えることで「心を動かす文章」が書けるようになる
メタ認知能力が高まると、コピーライティング(心を動かす文章)スキルが向上します。
メタ認知能力が高まるということは、客観的視点で自分の思考を言語化し正確に伝える能力が向上することになります。
もう少しわかりやすくいうと、「相手の気持ちに寄り添った文章」を書けるようになります。
ブログを通して情報発信するということは、基本的に「あなた自身の文章」で価値提供をすることになります。
ということは、メタ認知力を鍛えることで、結果的に情報発信する上で必須となる表現力も磨かれることになるため、「価値提供」をしていく上でも、大きなメリットとなるわけです。
まとめ.メタ認知能力を鍛えるために、俯瞰的に世の中を見よう
今回は、メタ認知能力を鍛える方法をお話をしました。
もう一度お伝えしておくと、メタ認知能力は、「生まれ持った才能ではなく、トレーニングすることで身につけることのできる後天的スキル」です。
あなた次第で、今からでも身につけることができます。
世の中には「木を見るな森を見ろ!」という言葉があるくらい、目先のことにとらわれず広い視野でとらえることで見えるものがあります。
「何でわかってくれないんだ!」と悩み続ける前に、一度「自分はメタ認知能力が低くないかな?」という視点を持って、自分自身を客観的にチェックしてみてくださいね。
今までに気付かなかった自分の強みが見つかるかもしれませんよ。
では、最後までありがとうございました。