金曜の夜。明日のキャンプに持っていくマグを取り出そうとしたら、手前の箱をどけ、その上の袋を下ろすことに。
ようやく見つけた頃には、押し入れの前に小さなキャンプ場ができている。
キャンプ用品の自宅収納は、道具の保管条件を守りながら、重い物を下へ、毎回使う小物を取り出しやすい位置へ置くのが基本です。
棚を買う前に、家族用とソロで共通して使う物を分け、ひと箱ずつ戻す場所を決めると、準備も帰宅後の片付けも進めやすくなります。
でも、頭では分かっていても、目の前の荷物を見ると手が止まる。
片付けたいだけなのに、いつの間にかスマホで「大容量の収納ボックス」を探してしまうんですよね。
どの道具にも、買ったときの理由があるはずです。
家族で囲むための大きなテーブル。一人なら十分な小さなテーブル。「これがあれば楽になる」と選んだ、いくつかの便利グッズ。
ひとつずつは必要だったのに、全部を家へ置くと、どうにも窮屈になる。
限られたお小遣いでそろえた物だから、使っていないというだけで簡単に手放せるわけでもありません。
私なら、まずは次のキャンプで使う物を、探さずに取り出せるようにするところから始めます。
家族の道具を全部処分したり、休日を丸ごと片付けに使ったりしなくても、変えられることはあります。
押し入れ、クローゼット、室内ラック。
今ある場所と道具を見直して、出発前にひと仕事を終えた顔にならずに済む収納を、一緒に考えてみませんか。
収納場所がないのか、取り出せないのかを見分ける

最初に確かめたいのは、道具の量より「何が邪魔で、出し入れできないのか」です。
同じ散らかり方に見えても、必要な対処は違います。
| 今の状態 | 最初に見直すこと |
|---|---|
| 空いている棚はあるのに、床へ荷物が出ている | 道具の高さと棚板の位置が合っているか |
| マグひとつ取るために箱をいくつも動かす | 毎回使う物を奥や下へ埋めていないか |
| 似たテーブルやチェアが収納を占領している | 家族用とソロ用で用途が重なっていないか |
| 必要な道具だけにしても扉が閉まらない | 収納できる量を超えていないか |
棚の上に空間が残っているなら、配置を変える余地があります。
反対に、必要な物だけで埋まっているなら、仕切りを増やしても解決しません。
「きれいに入った」と「楽に使える」は、少し違います。
私なら、写真に撮りたくなる並び方より、疲れて帰った自分が元へ戻せるかを優先します。
まず、次に持っていく道具をひとつ取り出してみてください。
そのために動かした物が、配置を見直す手がかりです。
今すぐ始めるなら、家にあるひと箱を空ける
いきなり押し入れを全部ひっくり返す必要はありません。
途中で力尽きても夕飯を食べる場所が残るように、最初は小物の箱ひとつで十分です。
家のかごやポーチで、用途を分けてみる
箱の中身を出したら、清潔なかごや使っていないポーチで仮に分けます。
食器、コーヒーの小物、補修用品など、使う場面が近い物をまとめましょう。
食器には清潔な袋やふた付きの容器を使い、燃料や汚れた道具とは分けます。
燃料・電池・刃物は「ひと箱に入るから」でまとめず、それぞれの保管条件を優先してください。
仮のラベルは、紙とテープで構いません。
専用ケースを選び始めると、片付けの途中なのに買い物が始まります。収納にも、なかなか誘惑が多い。
持ち運ぶなら、容器と持ち手の傷みを確認し、中身を入れた状態で無理なく持てるか試します。
家庭用のかごを使う場合も、重い道具を詰めて運搬用にするのは避けましょう。
ファミキャン道具は「共通で使う物」を手前へ
ソロを始めたからといって、家族用の道具を全部奥へ追いやる必要はありません。
家族でも一人でも使うマグや調理器具まで別々にそろえると、家には両方残ります。
次のように分けると、何をどこへ戻すか決めやすくなります。
| 分け方 | 道具の例 | 置き方の考え方 |
|---|---|---|
| 家族でもソロでも使う | 兼用のマグ、カトラリー、調理小物 | 小さなまとまりにして手前へ |
| 家族が行く日に追加する | 人数分の食器、追加チェア | 共通用品と混ぜず、ひと区画へ |
| 季節で入れ替える | 防寒小物など | 出番に合わせて位置を変える |
| 使う場面が重なる | 予備のテーブル、複数のラック | 同時に使う予定があるか確認する |
安全用品は、前回使わなかったという理由だけで減らしません。
家族が使う道具も、ひとりで「もういらない」と決めず、次の予定を確認してからです。
ファミキャンの大きな収納ボックスは、自宅で家族用をまとめておくために流用できます。
ソロでは必要な小分け袋だけを取り出せば、大きな箱ごと運ぶ必要がなくなります。
持ち出す量そのものも見直したいときは、ファミリーキャンプの荷物を減らす方法も参考にしてください。
押し入れ・クローゼット・室内ラックは、取り出し方で使い分ける

自宅収納では、箱が収まる寸法だけでなく、手を入れて持ち上げる空間も必要です。
棚の幅・奥行き・高さに加え、扉を開けたときの幅と、手前に立てる場所を測りましょう。
押し入れは、奥まで隙間なく詰めない
奥行きのある押し入れは、手前へ何か置くたびに奥の道具が遠くなります。
毎回使う小物は手前、出番の少ない物は奥に分け、取り出す経路を残しましょう。
重いテントやテーブルは下側へ。
Hondaの収納解説でも、重い物を下、頻繁に使う物を手の届きやすい位置へ置く考え方が紹介されています。
奥の箱を取るたびに、手前の箱を廊下へ並べるなら、詰めすぎかもしれません。
ひと箱減らせないか、縦に重ねず横へ分けられないかを先に試します。
クローゼットは、衣類との境界を決める
衣類と同じ場所に収納するなら、キャンプ用品に使う範囲を先に決めておきます。
右側の下段だけ、棚の一区画だけ、と決めると、家族の収納へ少しずつ広がるのを防ぎやすくなります。
泥や煤、においの残る道具を、衣類の隣へそのまま戻すのは避けたいところです。
汚れを落として乾燥させたうえで、適したケースや別の保管場所を選んでください。
折りたたみ扉は、開けても端が残ることがあります。
中には収まるのに出せない箱を買わないよう、開口部も忘れずに測ります。
室内ラックは、一番下の物を取り出す動きを想像する
ラックは高さを使えますが、棚を置く床面積と前の作業スペースは必要です。
棚の上まで箱を積めばよい、とは限りません。
よく使う箱の上に別の箱を載せると、取り出すたびに積み替えが発生します。
棚板の位置を変えられるなら、箱をひとつずつ引き出せる配置を考えましょう。
購入前には、棚全体と棚板ごとの耐荷重、転倒防止の方法をメーカーの説明書で確認します。
重い物を上へ載せない配置にして、家族が通る場所や扉の動きも確保してください。
収まっても、やってはいけない保管がある
収納スペースを空けるために、道具を傷めてしまっては買い直しが増えます。
特にテント・寝袋・燃料・充電式ギアは、空いている場所へ押し込む前に確認が必要です。
濡れたテントを、箱と除湿剤に任せない
雨に降られなくても、テントや寝具は結露で濡れることがあります。
コールマンも、撤収時にはテント・寝袋・マットを乾燥させる時間を取るよう案内しています。
除湿剤を入れれば、濡れたまま収納してよいわけではありません。
持ち帰り用の袋から出し、生地や収納袋、底面などの湿りを確認してから戻します。
家で大きく広げられない場合は、テントを乾かす場所がないときの方法で、使える場所と乾かし方を確認してください。
寝袋を小さく圧縮したまま、次の季節まで置かない
寝袋の収納袋を見ると、「こんなに小さくなるなら助かる」と思いますよね。
ただ、持ち運ぶときと長期保管するときでは、適した状態が違います。
モンベルは、スリーピングバッグを通気性のよい大きめの袋へ圧縮せずに入れ、湿度の少ない場所で保管するよう案内しています。
自分の寝袋の説明書を確認し、ふくらみを保って置ける場所を確保しましょう。
マットも製品によって長期保管の方法が異なるため、「全部きつく巻けば省スペース」で統一しないことが大切です。
車や日当たりのよい場所へ、燃料・電池を逃がさない
室内がいっぱいだからといって、車内や高温になる物置へ移すのは危険です。
イワタニの取扱説明書では、ボンベはキャップを付け、火気や熱源を避けた風通しのよい40℃以下の場所で保管するよう案内されています。
手持ちの缶の表示と器具の説明書も確認してください。
充電式ランタンやモバイルバッテリーにも注意が必要です。
NITEは、リチウムイオン電池を使う製品を真夏の車内や直射日光の当たる窓際などに放置しないよう呼びかけています。
ベランダも、雨を避けられる箱に入れれば何でも保管できるわけではないですよね。
道具の保管条件に加え、マンションでは管理規約や避難経路も確認する必要があるかもしれません。
次のキャンプからは、帰宅後の「戻す場所」を残して出かける
個人的に、ズボラは私が片付けを続けるには、毎回考え直さなくてよい状態を作ることが大切だと思っています。
道具を持ち出したあとの空間を、その道具の戻る場所として空けておけば、後から楽ちんです。
「ちょうど空いた」と日用品を置くと、帰宅したキャンプ道具が順番待ちの列を作ることになってしまいますから。
ラベルは「キャンプ用品」より「食器」「コーヒー」「家族用の追加分」と書くほうが、戻すときに迷いません。
細かすぎる分類が面倒なら、まず自分が探しやすい分け方で十分です。
帰宅後は、収納する前に食品・燃料・電池・濡れ物を確認します。
乾燥が必要な物は保管場所へ戻さず、安全に乾かせる場所へ。乾いた物だけを元へ戻せば、洗う物まで箱の中で忘れるのを防げます。
撤収から家の片付けまで負担が大きいときは、キャンプの片付けをラクにする手順も合わせて見直してみてください。
次に買い物をするときは、「家に入るか」だけでなく「何と入れ替えるか」も考えます。
収納に少し空きができても、急いで埋めなくて大丈夫です。
棚や道具を買うなら、「入る・持てる・戻せる」で決める

家にある容器で分け、ファミキャン道具を流用しても困る部分が残ったら、そこで初めて買い足しを考えます。
お小遣いを使う理由が「何となく片付きそう」から、「この作業を減らしたい」に変わっているはずです。
わいずパパ「俺、この箱でそろえたら、かなり片付くと思うんだよね」



「いいね。今の箱の中身も、一緒に減らせそう?」



「え、、、。箱だけ新しくして、中身は全員続投の予定だった」



「じゃあ、先に中身の会議だね」
箱の色がそろうのは気持ちのよいものです。
ただ、扉の前に置く箱が増えるなら、新たにものを増やすべきではありません。
出番が少ない道具は、買う前にレンタルを検討する
収納棚を借りるという話ではなく、これから増やすキャンプ道具の話です。
年に何度使うか決まっていない大型ギアや、合うか分からないソロ用テントは、借りて試す方法があります。
すでに持っている道具の置き場所は解決しませんが、試す段階で所有物を増やさずに済みます。
レンタル料金だけでなく送料、受け取り・返却の手間も含めて考えましょう。
ソロ用テントを増やすか迷っている方には、hinataレンタルで購入前にテントを試した体験が参考になります。
中古は、寸法と状態を確認できる物から
収納ボックスやラックを中古で探すなら、外寸だけでなく、割れ・がたつき・部品の不足も確認します。
安くても耐荷重や組み立て方を確かめられない棚に、重い道具を任せるのは避けましょう。
寝具や安全に関わる用品まで、一律に中古でそろえる必要はありません。
状態を確認できる範囲で選ぶ考え方は、キャンプ用品を中古で買うときの確認ポイントにまとめています。
新品は、置き場所と減らせる手間を説明できたら
必要な寸法や強度を満たす物が見つからないなら、新品を選んで構いません。
私は、買わずに我慢を続けることまで「節約」にしなくてよいと思っています。
買う前に確認したいのは、次の3点です。
- 入る: 外寸が収納場所と開口部に合い、内寸に道具が収まるか。
- 持てる: 容器の重量も含め、必要な移動を無理なくできるか。
- 戻せる: 他の箱を積み替えず、疲れた日にも片付けられるか。
棚板の高さを変えて箱をひとつずつ取り出せるようになる、清潔な小物を袋ごと持ち出せるようになる。
そんな具体的な改善があるなら、購入する意味があります。
反対に、使わない道具を隠すためだけに収納を増やすなら、先に中身を見直します。
使わない物が決まったら、家から出すところまで進める
道具を減らすと決めても、売る予定の箱がずっと廊下に残れば収納は空きません。
高く売るための手間をかけるか、まとめて手放すか、自分が進められる方法を選びましょう。
まだ使えるか、売るか捨てるかで迷う場合は、キャンプ用品の処分方法と見分け方を確認してください。
個別の出品や購入者対応を減らしたいなら、宅配買取も選択肢です。
JUST BUYを利用した感想と査定前の注意点では、向いている人と向かない人を整理しています。
なお、JUST BUYは査定をキャンセルした場合の返送料が利用者負担です。
「査定だけ」のつもりで送る前に確認しておきましょう。
まとめ。次の金曜は、マグをひとつ取り出すだけに
次のキャンプの前夜、押し入れを開ける。
手前のかごからマグとコーヒーの道具を取り出し、必要な袋をバッグへ入れる。
箱を積み替えずに済んだら、準備はそこでひと区切りです。
床に荷物を広げたまま「あとで戻そう」と思うこともなく、少し早く椅子に座れる。そんな金曜の夜なら、明日のキャンプがもう少し待ち遠しくなると思います。
収納を整えた成果は、空いた棚の広さだけではありません。
探さなくてよくなった時間や、重い箱を持ち上げずに済んだ一回にも表れますからね。
家族用の大きな道具が残っていても、棚の色がそろっていなくても構いません。
使う物を取り出せて、乾かした道具を無理なく戻せるなら、その家に合った収納になっています。
もちろん、ひと箱片付けたからといって、すべてが収まるとは限りません。
それでも中身を見れば、もう使わない物も、置き方を変えれば使いやすくなる物も分かります。棚を買う必要が残ったとしても、今度は欲しい寸法と使い道を説明できます。
今日は、気になっている箱をひとつだけ開けてみてください。
次に持っていく道具を手前へ移したら、そこで終わりにしても大丈夫です。
片付けのあとまで頑張り続けず、お湯を沸かして、いつものマグでひと息つく。
空いた場所を眺めながら「次はどこへ行こうかな」と考えられたら、今日の作業は十分に役立っています。
私が自宅の収納に求めたいのは、そんな余裕です。
次に押し入れを開けるとき、目当てのマグへすっと手が届く。その小さな変化から、キャンプの準備を軽くしていきましょう。

